医療法人の役員に従業員さんのように有給休暇はないの?

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医療法人の役員になっていて、「従業員さんと同じように役員に有給休暇ってないのかしら?」と疑問に思ったことがあるかたはいらっしゃらないでしょうか・・

※山道にて

 

医療法人の役員と医療法人との関係

医療法人の役員で現場で実際に働いていらっしゃるかたも多いかと思います。

毎日毎日働いているのだから、役員といっても有給休暇があってもいいんじゃないのかしら・・と思われることはないでしょうか?

 

そもそも、有給休暇は「労働者」の方の権利です。

医療法人の役員は、実際に働いていたとしても、この「労働者」には該当しません。

では、医療法人の役員は、なんなのか・・・

「労働者」は、雇用契約に基づいて、働いたことにより働いた対価として給与をもらっています。

しかし医療法人の役員は、「委任」によって働いていることになります。

 

ですから、「労働者」ではないので、医療法人の役員には有給休暇はないのです。

 

委任とは

医療法人の役員の「委任」とは、働いたことによって給与をもらうのではなく、契約などの法律行為を医療法人から任せられているというものです。

 

第四十六条の五 医療法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。ただし、理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、一人又は二人の理事を置けば足りる。
2 社団たる医療法人の役員は、社員総会の決議によつて選任する。
3 財団たる医療法人の役員は、評議員会の決議によつて選任する。
4 医療法人と役員との関係は、委任に関する規定に従う。

 

医療法 | e-Gov法令検索 医療法46条の5

 

(委任)
第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

 

民法 | e-Gov法令検索 民法643条

 

有給休暇について

 

(年次有給休暇)
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
② 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。
六箇月経過日から起算した継続勤務年数
労働日
一年
一労働日
二年
二労働日
三年
四労働日
四年
六労働日
五年
八労働日
六年以上
十労働日

 

労働基準法 | e-Gov法令検索 労働基準法39条

 

年次有給休暇取得促進特設サイト[事業者向けページ] (mhlw.go.jp)

 

有給休暇ハンドブック|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

労働条件相談「ほっとライン」|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

 

 

【足あと】

息子は夏休みに入ったというのに、課外で7時限目まで授業を受けています。

私の時は、なかったので、大変だな~と思いつつ・・・

 

 

 

【昨日のにっこり】

ほっと一安心したこと

手続きが終わったこと

息子が元気でいること