共有の不動産を売った場合、1人で譲渡費用を支払ったときは、1人の譲渡費用として計算していいの?

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共有の不動産を売った場合に、1人で譲渡費用を支払ったときに、

1人の譲渡費用として計算して確定申告していいのでしょうか・・

※出雲にて

譲渡費用

不動産を売った場合に、売るためにかかる費用があります。

たとえば、不動産会社に仲介を依頼した場合には仲介手数料だったり、

建物が建っているけれども古いから取り壊して土地として売るための建物を壊す費用だったりです。

固定資産税を支払っても、それは譲渡費用とはなりません。

 

No.3255 譲渡費用となるもの|国税庁

 

共有の不動産にかかった譲渡費用を1人が支払う

共有の不動産の場合、かかった費用をそれぞれが支払っていると面倒だから1人が支払うことがあるかと思います。

印紙代くらいであれば金額的に少ないですが、家の取り壊し費用となると何百万となってしまいます。

そんなときに1人の方がその費用を全額支払ったけれども、他の人が負担分を支払ってくれないということもあるかもしれません。

こんなとき譲渡所得の計算をするときに、他の人が費用の負担分を支払ってくれないから、自分が支払った分全額を譲渡費用の計算に入れて計算していいのかどうか・・・

それはできません。

共有の不動産の売却にあたり、何百万となる費用を1人で支払ったとしても、譲渡所得の計算するときに譲渡費用として入れるのは自分の持分の分の金額です。

 

家の取り壊し費用が300万円で、持ち分が1/2だったとしたら

300万円全額支払っていたとしても譲渡費用としては、150万円で計算します。

 

これは民法によります。

(共有物に関する負担)
第二百五十三条 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。
2 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

民法 | e-Gov 法令検索

 

 

不動産所得の計算に関しての判例ですが

 

共有物の管理の費用は、その持分に応じて負担すべきものであり(民法253条1項)、共有不動産の固定資産税等に係る連帯納税義務に従って、共有者の1人が全額を納付した場合には、他の共有者に対し、持分によって定まる負担部分に応じた額の求償権を有するものである(地方税法10条、平成29年法律第44号による改正前の民法442条)から、原告が自己の負担部分を超えて共有不動産の固定資産税等の全額を支払い、共有者に対し求償をしていないとしても、それは、共有者が負担すべき金額を原告が代わって支払ったにすぎず、同金額につき、原告の不動産所得の計算上必要経費と認められるものではない。

名古屋地方 訴えの追加的併合申立事件、損害賠償請求事件 令和4年6月2日

 

 

【足あと】

最近、魚が食べたくなることがあります。

週末は魚屋さんをいろいろと見てみて

美味しそうな魚を探してみました。

 

 

【先週のにっこり】

法事が無事に終わったこと

魚が美味しかったこと

楽しく過ごすことができたこと