医療機関にて、オンライン資格確認の導入のために補助金をもらうと思います。
その場合の圧縮記帳って、どういうことなのでしょうか?
※由布岳
オンライン資格確認の導入のための補助金
医療機関にて、原則義務化となったオンライン資格確認の導入準備が終わった所、まだ準備中の所とあると思います。
そのオンライン資格確認のための補助金を申請するには、領収書が必要なためかかったお金を支払った後になります。
顔認証カードリーダーを申請した時期によって、補助金の額が変わることがあるので、確認しておいたほうがいいと思います。(下記にて)
5. 補助金申請 – オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係 医療機関等向けポータルサイト (iryohokenjyoho-portalsite.jp)
固定資産を買うために補助金をもらったら
このオンライン資格確認の導入のための補助金の対象は、下記の表のように、
導入のための周辺のネットワーク環境を整備する費用やルーターやLANケーブルを購入する費用などが対象となります。
ネットワーク環境を整備する費用やルーターなどは、通信費や消耗品費など支出した事業年度の経費として処理することが出来ます。
ですから、補助金をもらって収入として計上しても、同じ額が経費になるので、
法人税がかかる金額はありません。
しかし、補助金対象の中の
「資格確認端末(Windows10 IoT Enterprise LTSC 、その他オンライン資格確認の稼働が可能なものに限る)の購入」
につては、金額が大きくなり、固定資産として計上しないといけなくなります。
固定資産として計上すると、固定資産を購入した事業年度にその全額を経費にできず、減価償却費として一定の年数をかけて経費にしていくことになります。
そうなれば、固定資産購入分の金額は、補助金は収入として計上されるのに、その一部しか経費にすることができません。
そのためその差額に、法人税がかかることになります。
義務化されたから、せっかく補助金をもらって固定資産を買ったのに、税金をかけられるなんて・・・嫌
と思ってらっしゃる方のために、圧縮記帳という制度があります。
これは、固定資産を買うためにもらった補助金なのだから、固定資産の分の補助金部分には税金をかけないでおきましょうというものです。
例えば
資格確認端末のパソコンを30万円で買ったとします。
その全額が補助金でまかなわれた場合
器具備品 30万円 / 現預金 30万円
預金 30万円 / 雑収入 30万円(補助金)
器具備品圧縮損 30万円 / 器具備品 30万円
となります。
その結果、器具備品の簿価はありませんので、減価償却費はありません。
このように、オンライン資格確認の導入のための補助金をもらって固定資産を買った場合に、圧縮損を使って、その固定資産を買うための補助金の金額については、法人税がかからないようになります。
しかし、圧縮損を使わずに、補助金をもらって買った固定資産を資産に計上して、減価償却費として一定の間、経費にした場合は、その後も一定の間経費になるのでその後の法人税がその分少なくなることになります。
だから、圧縮損を使ったほうがいいのかどうかは、その法人によりますので、検討されたほうがいいと思います。
所得税法第42条又は法人税法第42条における本補助金の取扱いについて
Q1. 所得税法第42条又は法人税法第42条において、国庫補助金等の交付を受けて固定資産の取得又は改良をした場合に、所得の金額の計算上、総収入金額を減額できる仕組みがあるが、医療情報化支援基金によるオンライン資格確認の導入のための補助金の交付を受けた場合には、この仕組みは適用されないのか。
A1.本補助金は、直接的に国から補助金が交付されるものではありませんが、「医療提供体制設備整備交付金実施要領第2の1に係る補助金(オンライン資格確認関係)における圧縮記帳等の適用について」(令和4年9月27日掲載)のとおり、所得税法第42条又は法人税法第42条に規定する国庫補助金等に該当し、同条の仕組みにより、補助金交付年度における課税額を軽減することができます。(法人においては、圧縮記帳等による損金経理を行う必要があります。)
なお、同条の規定による仕組みの詳細については、税務署にお問合せ願います。Q2.令和4年9月27日に「医療提供体制設備整備交付金実施要領第2の1に係る補助金(オンライン資格確認関係)における圧縮記帳等の適用について」が掲載されたが、それ以前における取扱いはどうなるのか。
A2.文書が掲載された日にかかわらず、補助金の交付を受けたときから、国庫補助金等に該当していたものとして取り扱われます。所得税法(昭和40年法律第33号)
(国庫補助金等の総収入額不算入)
第42条 居住者が、各年において固定資産(山林を含む。以下この条及び次条において同じ。)の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金その他政令で定めるこれらに準ずるもの(以下この条及び次条において「国庫補助金等」という。)の交付を受け、その年においてその 国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合 には、その国庫補助金等の返還を要しないことがその年十二月三十一日(その者が当該取得又は改良をした後その年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時)までに確定した場合に限り、その国庫補助金等のうちその固定資産の取得又は改良に充てた部分の金額に相当する金額は、その者の 各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない 。法人税法(昭和40年法律第34号)
(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)
第42条 内国法人(清算中のものを除く。以下この条において同じ。)が、各事業年度において固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金又は給付金その他政令で定めるこれらに準ずるもの(第四十四条までにおいて「国庫補助金等」という。)の交付を受け、当該事業年度においてその 国庫補助金等をもつてその交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をした場合(その国庫補助金等の返還を要しないことが当該事業年度終了の時までに確定した場合に限る。)において、その固定資産につき、その取得又は改良に充てた国庫補助金等の額に相当する金額(以下この項において「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその圧縮限度額以下の金額を当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(政令で定める方法を含む。)により経理したときは、その減額し又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の 所得の金額の計算上、損金の額に算入する
※オンライン資格確認関係補助金申請について – オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係 医療機関等向けポータルサイト (iryohokenjyoho-portalsite.jp)
「医療提供体制設備整備交付金実施要領」に関するQ&A(その10)について.pdf(PDF:303.7 KB)
第2節 国庫補助金等で取得した資産の圧縮記帳|国税庁 (nta.go.jp)
圧縮記帳に関する会計処理及び表示について|国税庁 (nta.go.jp)
【足あと】
長らく会って話をしていなくて、自分の気持ちをなかなか伝えられないことがあり、
自分の気持ちと相手の気持ちが食い違うことがあり・・
気持ちを押しつけられてしまうと、その後、表面的にしか付き合えないな・・・
と思ってしまいました。
【昨日のにっこり】
久しぶりにカレーライスを作ったこと、しかも美味しかったこと
必要な研修に参加したこと
送付の手続きが終わったこと